アラブの声ブログ

「アラブの声ML」から極一部を抜粋、日欧米メディアが伝えない主にアラビア語のメディアからイラク問題を中心とするアラブ・イスラム世界の記事を抄訳し発信。リンクや商業目的以外の転載は自由です。

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米国の中東戦略は本当に失敗したのか? パレスチナ人論客が警鐘

هل الاستراتيجية الامريكية في الشرق الاوسط فاشلة فعلا؟!

中間選挙での民主党勝利やラムズフェルド国防長官の更迭などに続く最近の米国のイラク撤退論の流れで、米国は敗北したとの論調がアラブ世界では多く見られる中、イスラエルによる占領の辛酸を嘗め尽くし、占領軍の本質を熟知するパレスチナ人の論客が、このような楽観論を戒め、アルジャジーラなどを間接的に批判した。筆者はカイロ(エジプト)にあるイスラム諸学の殿堂であるアズハル大学のガザ(パレスチナ)分校の文学・人間学学部長で、政治学を教えるイブラヒーム・イブラーシュ教授(パレスチナ人)で、11月28日付のアルクドゥス・アルアラビーなどが掲載した。
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 イラクやアフガニスタンで米兵が一人殺されたり地域で反米デモが起き、米国の政策を批判する声明や評論が出るたびに、知識人や政治家、ジャーナリストアラブのテレビ局、果ては米国の同盟国の衛星テレビに至るまで、米国の戦略が失敗したと歓喜の声を上げるが、実際に米国の戦略が頓挫したのだろうか?

 米国の戦略で実現したものと実現していないものを検証しよう。半世紀前からこの地域の米国の戦略目標は、対象が「赤の危険(共産主義)」から「緑の危険 (イスラム)」に入れ替わった程度で殆ど変わっていない。各シンクタンクの多くの報告書や公式文書等で明らかになっているこれらの目標を列記する。

1) 地域の石油の支配、もしくは敵国による支配の阻止。
2) アラブ諸国の分裂、バルカン化。
3) イスラエルを全アラブ国家よりも強大に保つ。
4) アラブの統一阻止。
5) この地域における(特に非アラブの)米国に友好的で同盟する支配層を直接、間接的に保護する。
6) この地域の諸国を治安協定や条約の網で結び、地域内に基地を建設する。


 これらの目標はバグダード条約(1955)から始まり、レバノン介入(1958)、エジプト、シリア統合への陰謀企画(1958-1961)、アラブの反動勢力との同盟、地域の全解放運動への反対、イスラエルの無制限の支援など米国が実現を目指してきたものだ。

 これらの戦略目標を米国当局が常に公表していたわけではなく、専制政治反対とか共産主義やテロとの対決、民主主義の普及、少数民族の保護、平和維持、地域の安定などの標語を振りかざして地域への介入を正当化してきた。

 1990年以来米国が実現した本音の戦略目標は以下の通りだ。
1) アラブで最大の工業、技術軍事大国(イラク)の破壊。
2) アラブとイスラム諸国で最も歴史が古い国家(イラク)を分裂させた。
3) イラクと湾岸アラブ諸国の石油支配。
4) 大部分の湾岸アラブ諸国に米国と西側諸国の軍事基地を建設した。
5) アラブ領域の体制解体。
6) イラクと地域(訳注:パレスチナ、レバノン、ソマリア、スーダン、シリアなど)に分派対立を広めた。
7) 地域諸国(湾岸アラブ諸国など多数)を治安協定と同盟で結んだ。
8) 地域諸国の財力を消耗させた。
9) アラブに競合し、またアラブの統一へのいかなる動きをも阻止する勢力として、イランを強化した。
10)パレスチナ人と(仲介者を介さずに)直接に接触する道をイスラエルに開いた。
11)(占領に対する))全ての抵抗或いは妨害運動にテロリストの刻印を押し、アラブ・イスラム諸国を抵抗勢力撲滅に抱き込んだ。

 仮に米軍が今撤退したにせよ、過去のような一つの統一イラク国家が戻るだろうか? 一言で言って、上記の事項はイラクとこの地域に於ける米国戦略の挫折を示すものだろうか、それとも勝利だろうか? 苦いことであっても、米国戦略は成功していると言うのが真実である。中間選挙で民主党が勝利したが、米国の戦略を変えるものではない。

 それでは何故一部の評論家や衛星テレビは、米国が敗北すると主張するのか? 彼らに戦略的な視点が欠けているという表層的な理由ならまだしも、彼らや彼らが意見を発表する報道機関が、彼らとこれらの国家が占領米軍と密かに協調していることを覆い隠すために、自分たちは米国の政策に反対姿勢を採っていると強弁したいためであるなら、ことは深刻だ。

 我々アラブ人やムスリムに対するこの地域における米国の戦略は、実質的には成功している。一方、意志の面でアラブ大衆は敗北していないが、現実としては勝利もしていない。(闘争の)継続と更なる改良、思考が求められている。意志だけで現実を敗北させられるだろうか? それとも、抵抗の仕方や、特に米軍基地を誘致している体制と米国との関係に関する政策や行動を見直しが必要ではないのか?
(訳注:カタールには米国中央軍の本部が置かれ、衛星テレビ局のアルジャジーラの本社所在地であるから、アルジャジーラとカタールを暗に批判している)
 
http://www.latef.net/news/89.html

イブラヒーム・イブラーシュ教授は1952年生まれで、モロッコの首都ラバトにあるムハンマド五世大学法学部で博士号取得で、多数の著作あり。
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イスラエルはパレスチナ当局にハマースとの戦闘を条件に武器を供給し内戦化を狙う

بل أبيب تدفع بإتجاه حرب أهلية وتوافق على تزويد السلطة الفلسطينية بالأسلحة مقابل محاربة حماس

パレスチナ問題でのイスラエルの戦略は、パレスチナ当局とハマースの隠されている敵愾心を顕在化させ、あわよくば内戦に持ち込むことだと言われるが、そのことを雄弁に物語る発言がイスラエルの高官から飛び出した。16日付のロンドンに本部を置くアラビア語紙、クドゥス・プレスが報じた。
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 イスラエル占領当局は、パレスチナ自治政府がハマースへ広範な戦争を行うことを見返りとして、武器供給を承認した。

 イスラエル国家安全保障評議会議長のギヨラ・アイランド少将は、「イスラエル放送に16日、パレスチナ自治政府への武器供与に対するイスラエル政府の立場は、自治政府がハマースに対して戦うことが条件だ」と語った。                 

 「パレスチナ自治政府が現在ハマースに対して採っている方法は、彼らを援助しているようなものだ。自治政府は、『ハマースのテロと、イスラエルとの対話』に架橋は出来ないと理解すべきだ」

 イスラエルの諜報機関はパレスチナ自治政府に、ガザ地区のみで使用されると言う条件で、限定された数量の武器を売却するようこれまでに勧告してきた。その口実として使われたのが、自治政府がこれらの武器を必要とするのは、ハマースに対する闘争だというものだ。

 イスラエルでの報道によると、これらの武器には欧州諸国が資金を出し、パレスチナ自治政府は数ヶ月前から何度もイスラエルに武器売却を要請してきた。また、米国は4ヶ月以上前からパレスチナ自治政府に武器を売却するようイスラエル政府に圧力を掛け続けてきた。米国特使ノ「ウィリヤム・ウォードは、このことをイスラエルの諜報機関の高官に何度も話してきたし、ライス国務長官はイスラエル政府にこの要請に応じるよう要請してきた。  

http://www.qudspress.com/data/aspx/d30/15320.aspx

【アラビア・ニュース】に掲載された他の記事  齊藤力二朗  

* イラン諜報機関がサドル派との対決に備えバスラに武器供給

イラクのシーア派2大民兵組織の激突は避けられないのか?イランが最近緊張高まるイラク南部のバスラへの武器密輸を活発化させている裏には何があるのか? 9月30日付のイラクのネット新聞、イラーキ・リーグが報じた。

* イラク憲法草案の国民投票は投票箱のすり替えで強行突破
     
暫定憲法の中に正式憲法を決定する補則条項として「国民投票で、イラクの18の州のうち3つ以上の州で、有権者の3分の2以上が反対した場合、全国全体の過半数が賛成していても発効しない」とする条項があるから、通常であればスンナ派多数州の反対で否決が確実視されているのに、投票実施に固執する米国に勝算はあるのか。バスラネットの2記事から検証しよう。

* 占領軍に協力しイラクで狂奔するイランとクウェートの野望と今後  『後編』

* 9.11事件で機中から夫に電話の女性が欧州で逮捕さる

4年前の9.11事件でペンタゴンに激突したアメリカン航空77便から携帯電話で地上の夫に電話したテレビ解説者が、最近欧州で逮捕されたと言う。9月22日付のニュース・サイト、トム・フロコ・コムが報じ、死亡したはずの犠牲者が生存している理由を巡ってイラク・パトロールなどが疑義を投げかけ話題になっている。

* イラク南部のイラクへの権限委譲は占領軍撤退の始まりか

 米英イラク軍の幹部は、「イラク南部3都市の管理権のイラク委譲は外国軍の撤退開始を意味する。イラク軍は成熟の段階に達し、軍事面と治安面で任務遂行が可能になった」と声明したが、果たして順調に進むのか?9月30日付のアルジャジーラ・ネットのズィヤード・ターリク・ラシード記者が報告する。

* 経済大国入りを目指すドバイの野心的電子政府が現実化

アラブ首長国の商業都市国家、ドバイ政府の電子サイトが、利用回数数百万回を達成する成功を収め、この成功が多くの節約をもたらし、ドバイを世界水準の先進的地位に就かせた。9月28日付けのミドル・イースト・オンラインがドバイから報告する。

* 定着するか、四半世紀ぶりのイラン女性のバイク運転許可

 イスラムの2大宗派の一つスンナ派の総本山を自負するサウジアラビアでは、飛行機の運転は出来るが、女性の車の運転は禁じられている。一方シーア派国家のイランでは女性に禁止されていたオートバイの運転が許可された模様だ。5日付のミドル・イースト・オンラインがイラン各紙から引いて報じた。

* イラクにおける突然のアラブ諸国の動きの真相

米国がスンナ派アラブ人に憲法の受け入れを説得し、内戦を避けるためにアラブ連盟がスンナ派アラブ人に対して働きかけるよう奨励している。ミドル・イースト・オンラインは4日付で、憲法草案の国民投票を間近に控えたイラクを巡るアラブ連盟の動きを報じた。

* イラク警察が逮捕した英人秘密工作員をイラク内務省が釈放

 先月の爆発物や起爆装置を所有していた英人秘密工作員2人に続いて、イラク警察は別の英人秘密工作員を逮捕したが、イラク内務省の命令で調査もせずに釈放したことに、6日付のイラクのニュース・サイト、イラーキ・リーグが写真付きで報じ、抗議した。

* イラク解放後の課題は占領時代よりも難題と抵抗勢力は覚悟

イラク人民との連帯会議にサラーフ・アル・ムフタール氏が託した演説原稿

 今月3日にローマで読み上げられた。イタリア外相は同氏ならびに、アフマド・ハサニー・バグダーディー師、ジャワード・ハーリシー師(両師ともイラクのシーア派権威)などに「治安上」を理由にビザを発給しなかった。

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ブッシュの神懸り発言にアラブ紙が一斉に反発

ブッシュ大統領が 「アフガニスタンとイラクへの侵攻は神から命じられた」と2003年6月にエジプトのシャルムエルシェイクでパレスチナ自治政府のアッバス首相(現議長)とシャース外相(現情報相)と会談した際にに語ったという BBCのスクープにアラブのメディアが敏感に反応している。アルクドゥス・アルアラビーの痛烈な論評を紹介しよう。

* 英軍がバスラのシーア派15人を拘束 初のケース

先月起きた爆発物や起爆装置を所持してイラク警察に逮捕された英人秘密工作員事件が背景にあると思われる事件が続いている。これまでイラクに駐留している英軍は、シーア派京都を拘束したことは無かったが、今回初めて15人を拘束した。8日付のイスラム・メモが報じた。

* 米軍はイラク憲法反対のビラを貼る人を撮影し恫喝、剥がす

イラクに民主主義の定着を目指す米軍が、憲法の是非を問う国民投票になりふり構わず露骨に介入し始めた。8日付のイラーキ・リーグが写真入で報じた。

* 警戒高まるハマースの武装解除に向けた「シナリオ」

パレスチナ情勢は最大の武装勢力であるハマースの武装解除が最大の問題になってきた。4日付のイスラム・オンラインのヤースィル・アル・バンナー記者がガザから報告する。

* モサドが20のイラク放送局の政治番組を作成

 イスラエルの対外諜報機関、モサドが暗躍してイラク向けのラジオ局を設立、影で運営しているという。8日付のバーレンのアハバール・アル・ハリージ紙が特報した。

* イラク抵抗勢力が米国の盗難車を利用の意味

xymphora ブログより 10月6日
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イラクの反対勢力が、攻撃を行うにあたって、アメリカ合衆国内で盗まれたアメリカの車を利用しているという最近の噂がある。反対勢力がシリアル番号無しに製造されたイタリア製拳銃を使用しているという発見は、まず確実にどこかの諜報機関の注文による物だと指摘しておきたい。(ニック・バーグ殺害における様々な矛盾も指摘しておきたい)。

* アルジャジーラ・ネットの読者アンケート12題 「9/24-10/9」

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httアラブ世界で宗派間大戦争勃発の恐れ

10日付のミドル・イースト・オンラインでアスアド・アッブード記者がヨルダンの首都アンマンから報告する。
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 イランの影響力がイラクに浸透し、両国間にシーア派集団が出現することは、アラブ諸国が存在感を持たず権益を保護する地域体制の設立に無関心という状況下で、最終的には地域を巻き込む宗派間戦争に行き着くと考える評論家が居る。

* 必見ビデオ テロリストは誰だ 

民間人、車両をなどを標的にするイラクの占領米軍 3分41秒

* ビデオ 聖戦士軍、米軍装甲車ハマーを爆破、乗員兵士8人を殺害

* バグダードでアラブ服を着て爆発準備中の2米国人逮捕 米軍が救出

9月にイラク警察がアラブ服を着て爆発物や起爆装置を所持していた英国の秘密工作員がバスラで逮捕され、英軍戦車によって「解放」されたが、占領軍によるテロ活動と、捕獲された官製テロリストの強奪は英軍の専売特許では無い。似通ったケースで米人二人が住民によって逮捕された。12日付のアラビア語紙クドゥス・プレス(本社ロンドン)が特報で伝えた。

* イスラエル軍、パレスチナ民間人の人間の盾使用を特別許可で可能に

パレスチナの民間人をイスラエル軍が人間の盾として使うことが、特別の便法を使って晴れて可能になる模様だ。12日付のイスラエルのクドゥス・プレスが11日付のイスラエル紙マアーレフから引いて報じた。

* イラク・イスラム党の憲法容認は織り込み済みとバース党

イラク・バース党はスンナ派のイラク・イスラム党が憲法の草案に賛成すると表明したことに対して、「イスラム党という傀儡政党は、占領軍の結果として作られ、米国の計画のタイミングに合わせて行動をしている切り捨てた。それもそのはず、「米国・イラク調整委員会の手書き極秘文書が漏洩」と題して、手書きの極秘文書が7月2日付の著名なニュース・サイトのバスラ・ネットで写真付きで報じられているので紹介しよう。

* ライス米国務長官顧問団が捻り出した当面のイラク出口作戦

コンドリザ・ライズ米国務長官はおよそ1ヶ月前、自身の顧問団と、大きな危機に見舞われた時に対策を練るために歴代の米国当局が助力を求めてきた一部の米国人専門家を会議に召集した。議題はただ一つ、イラクの現状とこの泥沼からの脱出法だ。パリ在住で出版社を経営するレバノン人の政治論客アリー・ナーフィズ・マルアビー氏が12日付のバスラ・ネットで報告する。

* 投票者の半数以上がイラクの憲法草案を未読 路上で販売

イラクの憲法草案の是非を問う国民投票を15日に控えて、国民に無料配布するため数百万部印刷されたという草案の冊子(イスラエルの国旗を連想させる青色が使われている)が多くの都市で未だに配られていない一方、路上で販売されても居るという混乱状態を呈している。連日大々的に報じられている投票のインチキ振りの極一端を現地メディアから紹介しよう。

* ブレア首相、説明してください!!
イギリス兵士がテロ攻撃? イラクで何がおきているのだろう?
09/22/2005 09:43  ティモシー・バンクロフト-ヒンチー      Pravda.Run

* 憲法投票直前、イラク軍と警察が交戦し4人死傷 伊軍とサドル派も交戦

 著名な国際ジャーナリスト、ロバート・フィスクが英紙インディペンデントに、イラクの大部分は混乱状態で、首都のグリーン・ゾーンから半マイル地点にまでイラク人武装勢力の支配下にあると書いたばかりだが、イラクの指揮命令系統がずたずたの混乱振りを象徴する交戦事件が発生したので、2件紹介しよう。

* シリア内相の謎の自殺(?)を巡り4つのシナリオ

レバノンのハリーリー元首相の爆殺事件の国連調査団の結論が出る矢先に起きた、20年以上もシリアの諜報機関長官としてレバノンを実質的に支配してきたシリアのガージー・カンアーン内相の謎の自殺を巡って4つのシナリオが囁かれている。アルクドゥス・アルアラビーが報じた。

* 病人や囚人を利用してイラクの憲法国民投票実施 写真7枚

15日のイラク憲法草案に対する国民投票を直前に控え、病人や囚人など弱者の立場を利用して既に投票が開始されていると、14日付のイラク・パトロールが写真付きで報じた。

* サウジ国王、女性の車運転許可に「辛抱」を呼び掛け

最も保守的なイスラム教が遵守されているサウジアラビアで現在は禁じられている女性の自動車運転が許可になると、「例えば肌をむき出しにした女性がどうやってタイヤ交換をするのだ」とか、「女性がどのように修理工場に行き外国人労働者と対面するのだ。身内以外の成人男性と、ましてや外国人男性と接触するのはハラーム(禁忌)では無いのか」など反対意見も根強く、男女平等が進まないと米国から非難されている。そこで国王はこの度この件で暫くの間「辛抱」を呼び掛けた。14日付のロンドンで発行するミドル・イースト・オンラインが米国のABCニューズなどから引いて報じた。

* イラク駐留米軍が憲法投票を呼び掛けたイラン人27人をナジャフで拘束

イラクの憲法草案の是非を問う国民投票の当日、賛成投票を呼び掛けていた不法入国イラン人を米軍が拘束し、イラク軍に引き渡さずに米軍基地に連れ去るという奇妙な事件が起きた。15日付のイスラム・メモが特報で伝えた。

* 英国領事、イラク警官に対する2英人秘密工作員の発砲を謝罪

英人秘密工作員がアラブ服を着て爆発物を所持しイラクの警官に発砲し逮捕され、英軍戦車によって強奪された事件で、占領軍には治外法権があるとして頑強に謝罪を拒否してきた英国政府が初めて謝罪した。15日付のアラビア語のニュース・サイト、モヒートが報じた。

* イスラエルとの関係正常化でイスラムの総本山、アズハルが割れる

エジプトのアズハル(千年の歴史を誇る大学やモスクを擁すイスラム教の総本山)がイスラエルとの関係正常化を巡り、国策を重視して甘受するか、不法占領を続けるイスラエルと関係を持つことに対して国民に根強い反対感情を考慮すべきかで割れている。8日付のアルジャジーラ(アラビア語電子版)が報じた。

* コロンビアの米軍、ベネズエラのチャペス大統領暗殺を計画

米国の国会議員が殺害を呼び掛けるほどに米国政府から蛇蝎の如く嫌われながら、米国の国家テロを告発するなど反米的な言動で万丈の気を吐いているベネズエラのウーゴ・チャペス大統領を、コロンビアの米軍が暗殺計画を進めていると言う。16日付のイスラム・メモがベネズエラのニュース・サイトから引いて伝えた。

* アルジャジーラ・ネットの読者アンケート9題 「10/3-17」

p://groups.yahoo.co.jp/group/arabianews/ 

沈静化から内乱まで イスラエルのガザ撤退後の4シナリオ 『前編』

غزة: تجدد الانتفاضة أو إندلاع حرب أهلية بعد الإنسحاب

パレスチナのガザ地区からのイスラエル人入植者の撤退が始まったが、その後はどのような方向に向かうのか? ニュース・サイトのアラブ・オンライン(アラビア語電子版)は、民衆蜂起の再燃から内戦に至るまでの4つのシナリオがあるとするパレスチナ未来研究所が作成した研究報告書を掲載した。
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 『シャロン首相の分離計画の目的』
 このガザ地区からの撤退計画は完全に政治的なもので、この計画を最大限に活用することでパレスチナ抵抗勢力から逃れることを目的としている。すなわち、ヨルダン川西岸への入植を進め、西岸をそれぞれが孤立した小郡に分割することで、西岸への支配を強化し、イスラエルはパレスチナ人に貢献し譲歩した平和をのボム国家であると世界に示すことだ。イスラエルは西岸のみならず、ジャリールやネゲブ、大エルサレムでのユダヤ人入植強化を進めている。

 またこの計画は、ガザ地区からの単なる一方的撤退ではなく、むしろ占領軍の再編である。つまりガザ地区を全方向から包囲された巨大な収容所に変えるのだ。イスラエルはガザの陸上部の境界を監視、警備し、ガザ上空を完全に制御し、海上部分の軍事活動を継続するのだ。またエジプトとの国境線に面したフィラデルフィ軸と呼ばれる地帯にもイスラエル軍が残留する。更にイスラエルはいつでもこの地域の安全ベルトを拡張する権利を持っているのだ。

 パレスチナ人を封じ込めることで、グリーン・ライン内のイスラエル住民の治安強化と他の入植地の治安確保につながる。そのための手段は、決死作戦を実行するためにグリーン・ゾーン内にパレスチナ人の殉教志願者が進入することを防ぐことだ。アル・アクサー・モスクでのインティファーダ(民衆蜂起)では、数十人の殉教志願者がイスラエルで自爆攻撃をしたため、数百人が死亡している。

 和平姿勢を見せることで、パレスチナ自治政府かパレスチナ国家との交渉再開と、恒久和平協定、或は長期段階的協定の調印への可能性を残しておくこともできる。

『ガザ撤退後の予想される4シナリオ』

第一のシナリオ 「沈静化」
 このシナリオは米国や欧州、及びムハンマド・ダハラーン(強面の治安相)を筆頭とするパレスチナ自治政府、それに無論イスラエルもが望んでいる。

 そこで、武装抵抗諸勢力を無害化するよう馴致させるために欧州連合(EU)加盟国や米国は、アッバース議長がこれらの勢力を取り込み、国政選挙を通じて、また一部の閣僚ポストを与えても、政界に吸収させるよう奨励している。エジプトのアブルゲイト外相は、会見の席上で語った。「ハマースは取り込むべきで、放置するなら将来禍根を残す」

 米国に関しては、米紙ニューヨーク・タイムズが次のように書いている。「米国は撤退後に多額の支援を集めようとしている。ブッシュ政権は、ガザからのイスラエル撤退を監視する4国委員会の特使である世界銀行前頭取のジェイムス・ウィルフォンスンと共に、3年間で30億ドル集めるよう努力している。この金額は埠頭や国境施設、インフラ設備の建設などに割り振られる予定」

 イスラエルの撤退後に自治政府は、米国人とイスラエル人のグループが経営する「中東戦略アスピン・グループ」との合意に基づき、ガザで大型投資や公共サービスの各種プロジェクトを実行するよう目指している、とムハンマド・ダハラーン治安相は明らかにした。

 ダハラーンは語る。「パレスチナ財務相がプロジェクトへの資金投入を担当する。イスラエルのガザからの撤退は、地域の安定の基盤として、また将来の輝かしいパレスチナ経済の起爆力にするために支援しなければならない機会である」

 「戦略グループは撤退後に、ガザ地区開発プロジェクトを決定した。具体的には、ガザの天然ガス田の共同開発や、エネルギー工場の共同運営、主要な国境横断路であるカルニー国境施設を民営化し開発を促進することが挙げられる。この国境施設を通過するトラックは一日に約700から800台に達する。これらのプロジェクトにより、新たに雇用を創出し、パレスチナ経済の速やかな進展に寄与する」

 ガザからの撤退後にイスラエルは、これが譲歩できる最後だと見なすだろう。このことは入植者の指導者たちとの会談でシャロン首相が述べたことだ。すなわち「ガザと、ヨルダン川西岸の4入植地からの撤退は、イスラエル側からする譲歩の最後、或は少なくとも今後10年間で譲歩の最後だ。引き離しに続く段階は、米国とイスラエルが民主主義の実施方法を監視することだ」と語ったのだ。

 ガザ地区とヨルダン川西岸の一部が次期暫定パレスチナ国家となる可能性はある。米国とイスラエルの政府はこれを頭に描いている。パレスチナ側には、自分がガザ地区で最強の男だと考えているダハラーンを筆頭とする、この国家で役割を演じようとする者もいる。彼は間断無く米国やイスラエルの使節団と会談したり接触しており、彼らに大いに頼りにされている。
http://www.alarabonline.org/index.asp?fname=\2005\08\08-08\830.htm&dismode=x&ts=08/08/2005%2011:45:41%20%D5

【アラビア・ニュース】に掲載されたこの他の記事  齊藤力二朗
* イスラム・メモのアンケート5題 「8/1-8/13」 

* イラクにおけるイランの任務は米国と調整してイラクの内部破壊 『後編』

* アルカイダの主張を掲載したウェブ・サイトはブッシュ家とつながっている 「ガーディアン」

* 男女混在禁止のヨルダンのマッサージ業界が発明した抜け道

ヨルダンでのマッサージ店では同性によるサービスしか許可されていないが、店主は抜け道を探し出し男女混在(異性によるサービス)制度を守り抜いている。マッサージ店は当局が店の監督を見て見ぬ振りをしていると喜んでいる。12日付のアルクドゥス・アルアラビーが報じた。

* アルジャジーラ・ネットのアンケート9題 「7/30-8/18」

* 米軍、イラクに中東最大の4千床軍用病院を建設

フランスの諜報機関に強いコネがあることでも知られている高級誌カナール・アンシェネがイラク駐留米軍の死傷者は公表数の10倍だと最近衝撃の報道をしたのを初めとして次々と被害の規模が暴露されていることに符合して、イラクに大軍用病院が建設されると18日付のイスラム・メモが特報で伝えた。

* イラク抵抗勢力の襲撃を恐れて米海兵隊がラバとロバで物資輸送

抵抗勢力の仕掛け爆弾や砲撃には耐えられない米軍の装甲車両に手を焼いたイラク駐留米軍は遂に、軍需物資輸送にロバやラバという究極の運搬手段を使い始めた。18日付のイスラム・メモが報じた。

* イラク抵抗勢力発表のイラクで死亡した米兵数の報告は正確

15日付のニュース・サイトアル・モハッレルが掲載した、仏メディアの報道に基づきイラクの米兵の死傷者数が数万人に達するとするアブー・アッスール氏の評論。

http://groups.yahoo.co.jp/group/arabianews/ 

イスラエル兵が「娯楽で」籤を引かせたパレスチナ人に無理やり小便を飲ませる

سجن إسرائيليين أجبرا فلسطينيا على تجرع بول

 グアンタナモ基地で米兵がコーランを便器に投げ捨てたことが問題になっているが、イスラエルではパレスチナ人受刑者に無理やり尿を飲ませた兵士が数ヶ月の実刑判決を受けたと、24日付のクドゥス・プレスやイスラム・オンラインが報じた。
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 エルサレムの裁判所は、くじ引きで選んだパレスチナ住民に無理やり尿を飲ませ虐待した国境警備隊の兵士二人にそれぞれ4ヶ月と8ヶ月の実刑判決を言い渡した。

 事件は昨年9月に二人のパレスチナ青年が不法滞在容疑で、エルサレムの入り口で検問所で引っかかったことに端を発する。イスラエル兵士たちは二人を国境警備隊の事務所に使っている元ホテルに連行した。

 判決を下すにあたりイスラエル人の裁判官は、「容疑者の一人は、自分たちの行為は非人道的であったと認めた」と語った。判決理由にはイスラエル兵士たちがパレスチナ人の一人に尿を飲ませたとある。

イスラエル警察での取調べで被害者のパレスチナ青年サミーフさんは証言した。「検問所で逮捕された後、彼らが娯楽と呼んでいる籤で私ともう一人を選び出した。他の者はエルサレムに入ることは許可されなかったが、解放された。我々は拘留され、籤引きにも参加させられた」

 「兵士たちは小箱に、異なった罰を記した紙切れを入れた。手を折るとか兵士たちが事前に用意したコップに入れた尿を飲む下すとかの罰だ。兵士たちは我々に無理やり籤を引かせようとしたが、拒否したら一人の兵士が手を殴りつけ、尿が入ったコップを持ってきて顔に投げかけた」

 「これで堪忍袋の緒が切れ、その兵士に掴みかかった。すると兵士6人がM-16型の銃を向け、私を殴りつけ、尿入りコップを口に近づけ、気を失うまで飲ませた」

 ヨルダン川西岸やガザ地区に50ヶ所以上も常設されているイスラエルの検問所は、パレスチナ人の悪夢となっている。他にも突然設置される検問所もあり、パレスチナ人の苦悩を増している。検問所ではパレスチナ人や彼らの所有物はイスラエル兵によってしばしば被害を受ける。また、検問所では長時間待たねばならず、時には理由を告げられずに丸一日も潰すこともある。
http://www.islamonline.net/Arabic/news/2005-05/24/article12.shtml
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 同じく24日付のイスラム・メモは、「イスラエルの10チャンネルは、イスラエルの兵士が先週でヨルダン川西岸で、パレスチナの少年たちが投石するので、17歳のパレスチナ人の少年を人間の盾として使った映像を流した」と報じた。
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 このようなパレスチナ人に対する「些細な」迫害、虐待事件は、アラビア語のメディアでは連日報道されているが、西側メディアで報じられることはまず無い。
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【短報】
*ラムズフェルド:軍事手段のみ、又は他国の支援無しではテロとの戦争に勝てない 「AFP」

*バグダード空港の職員:2-3月だけで百人以上のラビ(ユダヤ教聖職者)がアラブや欧州諸国からイラクに来て米軍キャンプを訪問、ユダヤ教米兵に説教や儀式執行、一部のユダヤ人宗教者や商売人はトルコ経由でイラク北部に進入 「カタールのアッシャルク紙」

*イスラエル製兵器の中国輸出問題透明化で米国と7月に協定締結  「ハアーレツ」

*中国にイスラエルが共同で学術、技術ゾーンを設立 工業開発、研究のための共同基金も設立 昨年の中国へのイスラエル輸出額は前年比3割増しの7億6500万ドルに 「NFC」

*ハマースの政治幹部ムハンマド・ガッザール:民衆への公共サービス提供のためにはイスラエルと折衝せざるを得ない イスラエルの存在は現実 「iol」
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和平をちらつかせてパレスチナ人に近づくイスラエル 「カタール紙アル・ワタンの漫画」
http://www.aljazeera.net/mritems/images/2005/5/25/1_542159_1_28.jpg

 
アラブの声ML に掲載されたこの他の記事 齊藤力二朗
「サマーワの住民は日本人が嫌い 写真1枚付き」
http://groups.yahoo.co.jp/group/voiceofarab/

 

イスラエルと日米独伊の専門家250人がイスラエルの15ヵ年計画を作成

مستقبل إسرائيل في 15 بندًا

 イスラエルの右派に近い政治・戦略研究の専門月刊誌「ナテフ」は、250人の専門家が作成した15項目からなるイスラエルの2005年から2020年までの将来計画を発表した。18日付のイスラム・メモが同誌から引いて伝えた。
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 2005年から2020年までのイスラエルの将来計画の作成には、250人の研究者、学者、軍人、経済人、政治家が参加した。イスラエル政府は「2020年の我国の将来」と題したこの計画作成にあたり、自国の研究者や専門家のみならず、日本や米国、ドイツ、イタリア、その他の諸国の専門家も招集したのだ。

 計画の序文には、それぞれの項目が相互に関連しているので、全15項目を実行する必要性を強調、予期しない事態が起きた場合は、一部の項目を変更できると書かれている。

 以下15項目のシナリオ作成を取り仕切ったイスラエル人のアダム・マズル教授は、「イスラエルにとって今後の好ましい平和像に関するこれらの項目は、我々の国家が切望する事柄を極限まで手に入れるために、この地域における米国のプレゼンスを利用するほか、全ての現況とアラブの悪化している弱点を利用することを、我々に求めている」と記している。
 
1条) 土地(原注:パレスチナの全土)に、イスラエル国家とパレスチナ国家の2民族の政体(存在)が設立される。

2条) パレスチナの政体には軍隊の設立や治安軍の巨大化は許されない。(第1条が失敗し、それに伴い第2条も頓挫すれば、パレスチナ人とヨルダンとが連邦、或いは連合の形態で統合されるよう努力する。

3条) アラブ・イスラム諸国は、ユダヤ人がこの地域で生活する権利を認める内容を含む完全な和平協定をイスラエルと締結する。

4条) パレスチナ国家とイスラエル国家いずれにも、パレスチナ人は帰還する権利を喪失する。

5条) イスラエルとアラブの共同事業体を設立する。その支配権はユダヤ人が握り、アラブ人は人力と土地を提供する。

6条) イスラエルと(レバノンの首都)ベイルートや(ヨルダンの首都)アンマン、(エジプトの首都)カイロ、その他のアラブ諸国の首都を結ぶ高速道路を建設する。

7条) アラブ諸国とイスラエルを結ぶ鉄道を建設する。

8条) ヨルダンに居住する外国人旅行客をイスラエルに、またはその逆の、観光ツアーを組むことでヨルダンとの観光開発を促進する。

9条) 死海とヨルダン川の淡水化の共同事業を実施する。

10条) 100万人のユダヤ人入植者を受け入れられるように、不毛なネゲブ砂漠地帯を開発する。それにより2020年にはテルアビブとハイファに続く第3の人口を擁す地域になる。

11条) アラブとイスラエルの戦争状態を終結する。イスラエルの安全保障費を削減する必要がある。

12条) 節減された安全保障費を各主産業の事業費やアラブ諸国への輸出増加の経費に充当する。

13条) イスラエルが多国籍企業のセンター、及び地域の主要な代理業務を行えるように努めることで、経済、商業活動を活発化する。

14条) アラブ諸国の対イスラエル、ボイコットを終結させ、イスラエルへの外国とアラブの投資を増加させる。

15条) 世界に居る半分以上のユダヤ人をイスラエルに誘致する。
http://www.islammemo.cc/taqrer/one_news.asp?IDnews=427
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安価な労働力と土地を提供し、帰還権も武力も無く、搾取されるだけの隷属状態ならば、特別な慈悲を持って存在を許すが、そうでなければ、ヨルダンに追いやり、その後に万里の長城のような分離壁を築くのがイスラエルの当面の目標であろう。その後押しをするのが米国を中心とする先進諸国や多数のアラブ諸国。

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