アラブの声ブログ

「アラブの声ML」から極一部を抜粋、日欧米メディアが伝えない主にアラビア語のメディアからイラク問題を中心とするアラブ・イスラム世界の記事を抄訳し発信。リンクや商業目的以外の転載は自由です。

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米国とイラク抵抗勢力の対話報道の背景 エジプト人報道家の分析 【前編】

ماذا وراء شائعات حوار أمريكا مع المقاومة العراقية؟

 米国がイラク抵抗勢力と接触をしたとイラクや米英の高官が大合唱し始めているが、この背景には何があるのか?23日付のイスラム・メモは、冷静な分析で知られる、元エジプト労働党の機関紙アッシャーブで健筆を振るったエジプト人ジャーナリスト、タルアット・ルメイフ氏の評論を掲載した。
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 一部の著作や分析が気が付いた突然の変化がある。最近の米国メディアはもはや、イラク抵抗活動をテロリストと位置付け語ることが主流ではなくなったことだ。使う調子や言葉が変わり、彼らを示す表現は大方の場合「イラクの武装勢力」となり、ほぼ「ザルカーウィーの手下」と呼ぶようになった。

 同様に米国政府高官全員がこれまた唐突に、特にライス国務長官が、アラブ・スンナ派の政治参加を連日言い立てるようになった。そのため「ジャーファリー首相率いるイラク占領政府はスンナ派の政治参加に反対している」と見なすことで、「米国は意図的にイラク政府の分派主義を暴き出した」とイラク政府が感じるようになった程だ。特に、クルド人のイラク大統領タラバーニが憲法制定委員会にスンナ派25人の割り振りを支持すると表明した後にはなお更だ。

 米国大使館の報道官も、「この国の将来と安定を決めるには、イラクの政治活動は重要で、敏感で、決定的だと我々は確信している。この問題についてイラクの各集団と話し合っており、彼らが参加するよう強く促している」とする所謂「スンナ派アラブと米国との接触」声明を報道陣に発表し、他の誰よりも明白にこの企みに関与した。

 この声明発表後まもなく、アラウィ政権時代のアイハム・サマライ電気相が、「占領当局と抵抗勢力の2グループと会談した。2グループは残りのグループを統合し政府及び米国人と会談させようとしている」と語った。

 その後米国とイラクの「武装勢力」が協議したとの情報が各方面から流れ出した。米国大使館の報道官は抵抗勢力との対話に関して率直に明かさなかったが、英紙ガーディアンは、「米国の外交官と軍人は(軍人という言葉に注目)イラクの「武装勢力」と間接的に会談した」と書いた。 

 以上全てに同期して、一見して逆方向に見えるいくつかの動きが起きた。先ずイラク政府のの報道官ワフィーク・サマライが、「(イラク西部のシリアとの国境沿いの)カーイムで武装勢力同士が交戦した」と語った。次に、「バグダードの稲妻作戦」と呼ばれる占領軍と傀儡イラク軍による軍事行動が激化、ラマーディーまで拡大、同時にカーイムなどで空爆を含むあらゆる手段を使っての軍事的圧力が増した。

 米国は何故このように熱心に抵抗勢力との交渉について語り、スンナ派アラブ人の政治参加に突然固執するようになったのか? それ以前に、何故米国領事が(イラク暫定統治評議会の元メンバーでイラク・イスラム党の党首の)モホセン・アブドルハミードを訪れ、彼がスンナ派の象徴的存在であるとして米兵によって一時的に拘束されたことを謝罪したのか?領事が会談後イラク・イスラム党の事務所を退出した後、暗殺未遂事件に遭遇したことや、交渉推進と大規模作戦の同時進行をどのように理解すべきか? 現在起きていることに対するイラク抵抗勢力の立場を我々はどのように読むべきなのか?

 『企みの本質と動機』

 現在起きている企みの本質は、占領軍がイラク抵抗勢力との戦闘で戦略的に敗れ、軍事的に問題の決着を付ける努力は失敗に帰し、占領軍は、自軍の軍事力によるものであれ、傀儡政府を継続させることであれ、最小限の政治的被害でイラクの泥沼から抜け出す方策を模索しているということだ。

 そのため占領軍は、撤退のための口実つくりと、撤退が敗北と映ることを避け、パレスチナのガザで起きているような襲撃を受けながらの撤退とならないように、一種の沈静状態の実現を目指している。また撤退後にも傀儡政府が延命できるために、より良好な状況を作り出そうとしている。

 それには、いきなりイラクから撤退するか、或は先ず市外の基地に引き上げるか、又は現政府或は例え外からでも遠隔操縦され続ける(現政府後の)別の政府が(占領軍撤退後にも)存続することの正当性を初めとする占領軍がもたらした様々な諸制度をより広範囲の市民に認めさせることの方策がある。 
 
 現在起きていることの本質は、交渉という一方方向にのみ進んでいるのではなく、抵抗勢力に交渉を受け入れさせるという目的を果たすため、正確に言えば、交渉せざるを得ない状態にするために、以下のような幾つもの方向性を持つ全体的な計画なのだ。

(第一の方向)
 抵抗勢力をその縄張りに、特にイラク中部地域に閉じ込める作戦が行われている。そのことはスンナ派アラブ人を政治活動に参加させるべく懸命になっていることに現れているが、これはイラク中部地域の指導層と住民を、抵抗運動支援者と、占領軍の企みへの参加を受け入れる者との間に楔を打ち込む試みに過ぎない。

 このことは抵抗勢力の各派との対話について語ったアイハム・サマライ(前イラク電気相)が明らかにしたことだ。彼は次のように言い切ったのだ。「スンナ派アラブ人の政治活動参加が活発化すれば、武装勢力を孤立化し、弱体化させる方向に向かうと考えるものが、疑問の余地無くイラク移行政府内にいる。したがって、米国の軍人と政治家の高官と一部のイラク人に、スンナ派アラブ人が政治活動により積極的に参加するよう働きかけるよう呼び掛けた」

(第二の方向)
 抵抗勢力との軍事対決が失敗した後の米国の計画として、抵抗勢力に対する軍事作戦を強化し、米国はいかなる流血を伴う軍事力をも行使する強硬姿勢を示すことが進行している。これは作戦の勝敗と無関係だ。米軍は空爆するだけだが、勝敗を判断する基準が地上戦を制すことにあるというのは、戦術の鉄則である。

 米軍司令部は、ベトコンとの直接交渉に同意する前にこの戦術を採用した。イラクではバグダードでの稲妻作戦やラマーディー、カーイムでの作戦となった。また今後起こされる大規模攻撃でも、抵抗勢力とその支持者に圧力を掛けるために住民に最大限の被害を与えるよう空爆が敢行されるであろう。

(第三の方向)
 抵抗勢力に対して心理的撹乱攻勢が進行している。この一環として前述のアイハム・サマライの抵抗勢力との対話発言がある。この目的は、抵抗組織間に対立と疑念を生じさせ、占領軍と交渉をしているということで抵抗勢力を民衆から引き離すことだ。またワフィーク・サマライ報道官は、カーイムの町で抵抗勢力のグループ同士で交戦事件が起きたとの声明を出している。

(第四の方向)
 占領軍のイラクからの、いやそれどころか米国とシオニストの占領に対する一連のイスラム抵抗運動を連結する勢力として全イスラム圏からの、完全撤退を目指すイスラム抵抗勢力から、獲物の分配を巡って内部闘争をする分派運動或は内部的な民兵組織などへと抵抗勢力は変質した、と内外の支持者に印象付ける試みが進行している。

 これは前述のアイハム・サマライの言葉に表れている。すなわち、「抵抗勢力は国の解放と外国勢力からの完全独立を求めている」と指摘はしたものの、急いでこの甘い発言に毒を入れたのだ。つまり、「選挙期間中多くの問題を引き起こした側であるスンナ派アラブ人たちは、『シーア派同盟やクルド人同盟は例えば民兵組織を持っているのに、自分たちには無いので、どうやって身を守ればいいのだ』と考えている」と言い添えたのだ。
http://www.islammemo.cc/taqrer/one_news.asp?IDnews=447
【以下、「米国は本当に敗れたのか?」、「米国の撤退戦略に抵抗勢力はどう対処するか?」は後編へ】
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【短報】
*イラクの米軍、既存施設満杯で16000人収容可能な刑務所を新・増築、予算5千万ドル 「ロイター」

*イラク南部のマイサーン州地方評議会、同州の市民社会諸組織、諸政党、国民勢力、英軍の非人道的な家宅捜索に抗議して、英軍との接触をボイコット 「アシャルク・アルアウサト」

*バグダードの地価が上昇 住宅は低下「iol」

*イスラエルがブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイとそれぞれ共同貿易地域設立協定調印、イ企業の南米への輸出が容易に 「イの第7チャンネル」

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「米国がイラクの占領反対組織設立を支援 暴かれる茶番劇」
「陸自サマーワ爆発事件で5日連続で活動自粛とは?」
「新聞のライバルとしてのBBC」
http://groups.yahoo.co.jp/group/voiceofarab/  
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