アラブの声ブログ

「アラブの声ML」から極一部を抜粋、日欧米メディアが伝えない主にアラビア語のメディアからイラク問題を中心とするアラブ・イスラム世界の記事を抄訳し発信。リンクや商業目的以外の転載は自由です。

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平和のパイプライン?  旧イラク石油省の調査:ファッルージャ近郊に石油が埋蔵

デヴィッド・イグナシウス  ワシントン・ポスト  2005年4月6日水曜日

新しいイラク政府が就任すると、「未処理書類受け」にはこの国の最も微妙な諸問題のいくつかにかかわる経済対策案が入っているのに気付くことになるだろう。つまり、スンニ派三角地帯における戦闘をどうやって抑えるか、この国の隣国ヨルダンとの益々緊張する関係をどう舵取りすればよいのか、原油生産と輸出をどうやって増強するかという問題の対策を。

この問題山積の蜂の巣も、西部イラクからヨルダンの港、紅海にあるアカバまで石油パイプラインによって取り除くことが可能なのだと提唱者達は主張している。このパイプラインは、バグダッド北西ハディサにある既存のパイプライン・ジャンクションから、アカバにある新しい積み出し施設まで一日に120万バーレルの原油を輸送するものだ。イラクでもっとも手におえない戦争地帯を経由するパイプライン建設など正気の沙汰ではないと思われるかも知れないが、まずはお読み頂きたい。

このパイプライン計画の最も積極的な旗振り役は、タラル・ガーオドという名のイラクのスンニ派指導者だ。彼はヨルダンに本社を持つタボク・グループという名のエンジニアリング会社の長であり、ドレイミ族の有力なメンバーでもある。ドレイミ族は、バグダッドからヨルダン国境まで広がるアンバル州に対し強い勢力を持っている。これまで反乱の中心部となっている地帯にパイプラインを安全に建設、維持できるとガーオドが考えているのは、この部族が背後についた保安部隊なので、この部族内における彼への信任は重要だ。

ガーオドはこの計画の概要を、アメリカ、イラク及びヨルダンのその筋に説明済みだ。これによって、アンバル地域では雇用の機会を生み出されるし、スンニ派部族と宗教的リーダシップが、バグダッドのシーア派主導の新政府とより緊密に協力するようになるので、イラクの安定化に寄与しようと彼は主張している。先週末、公開の報道を前提にした初めての話し合いで、彼はこの計画を私に明かしてくれた。

パイプラインのアイデアは、既に多少のはずみがついている。ヨルダン政府は正式な提案書を1月にイラクの暫定首相アヤド・アラウイに送っている。ヨルダン側は1月30日に選び出された政府からの回答を待っている。

業界筋によれば、この計画に対する海外投資は日本の商社三井商事から得られ、同社はヨルダン政府に対し建設プロポーザルを作り、日本の輸出入銀行である国際協力銀行と融資について相談しているとのことだ。費用はおよそ$20億ドル。イラク側のパートナーは、恐らくは石油省となろう。

プロジェクトの根本的な存立基盤は、原油生産能力を一日500万から600万バレルという目標に向けて拡大できるほどにひとたびイラクが安定化すれば、もっと大きなパイプライン能力が必要になるというものだ。既存のパイプラインは、ペルシャ湾、シーア派が優勢な南部イラクから、北部クルド族地帯からトルコへとつながっている。紅海に向かう西部パイプラインによって、イラクの石油輸出にとってスンニ派地域の関与を増すことができ、また代替ルートという担保にもなろう。ヨルダンは港のおかげで経済発展を享受し、日本人は安定した長期的な原油供給を得ることになろう。

単にアンバル州を経由して石油を輸送するというだけでなく、ガーオドのグループは新しい鉱区が見つかるだろうと信じている。イラク石油省の過去の調査によれば、ファルージャ付近、イラク西部の砂漠に潜在的な鉱区があることが分かっているという。アンバルでの調査、試錐は、この地域がより安定化するまでは不可能だろうが、新しい働き口と石油の富という見込みそのものが、反乱行為を押さえ込む助けになりえよう。

イラクの専門家ならば、980年代に表面化したアカバ・パイプライン計画という古い話を覚えておられよう。あの当時、大きなリスクはイスラエルによる破壊活動だと考えられており、サダム・フセインの政府、レーガン政権とイスラエルの間で、秘密の連絡を取るべくまめな努力がなされていた。この古い計画は、構想に対する業界支援にもかかわらず、スキャンダルの申し立てにまみれて頓挫した。

新たなパイプライン計画には確かに、反乱分子がそれを爆破しかねないというあからさまな危険以上の問題がある。パイプラインは、帰するところ、この国家の将来的な安定性を保証する引受人として機能するほどイラクの部族指導者達が十分に強いのか、十分に啓蒙されているのか、という賭けだと懐疑的な連中は主張する。恐らく新イラク政府にとってもっとも微妙な問題は、ヨルダンそのものとの関係だろう。この二国間の緊張は、イラク・シーア多数派が1月に政治権力を獲得することによって燃え上がり、新政府はイランの同宗信徒達の側に傾斜しかねないとヨルダンは気を揉んでいる。イラクのシーア派指導者アフメド・チャラビと、1980年代に銀行を略奪したとして彼を告訴しているヨルダン政府との間の極めて険悪な反目もある。

このパイプライン案は、古代神話劇の中に、もつれた諸問題を沈静化するため突然登場するあの神様、デウス・エクス・マキナ役を果たしてくれる可能性がある。イラクの新首相が国を纏める方法を考える場合、この案も考慮にいれるべきだろう。パイプライン政治は、深刻な紛争に対する解決策として有効かもしれない。
davidignatius@washpost.com
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/articles/A28416-2005Apr5.html?sub=new
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上記は goose さんによる翻訳です。
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【短報】
*モサドの元長官のダニ・ヤトム労働党議員、数年のうちにラビの教令に影響された軍人がクーデターを起こすと予想 「イの最大ニュースサイト」

*セルビアで反ユダヤ人感情が増大 反ユダヤ、シオニストの書籍の販売好調 「独デル・シュタンダルド」

*2025年のイスラエルのユダヤ人口は1割減で全人口比70%に低下と予測 2000年は78% 「イスラエル統計センター」

*故ローマ法王と親しかったイタリアの元大ラビ、イリヤフ・タワフ、「世界のキリスト教徒はユダヤ人に接近し続けねばならない」との法王の遺言を明かす 遺言は次期法王にも拘束力がある 「イスラエル放送」

*イラク大統領(クルド人)、イラクの国名を「イラク共和国」から「連邦イラク共和国」に改称を命令 「イラク通信」

アラブの声ML 齊藤力二朗
http://groups.yahoo.co.jp/group/voiceofarab/


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